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昨年8月21日、北アメリカ大陸の西から東へ横断する広い範囲で、
地球から見て月が太陽を完全に覆い隠す「皆既日食」が観測されたと話題になりました。

皆既日食のルート(日食帯)がアメリカ大陸を横断するのは1918年以来99年ぶりのことです。
この貴重な機会に学習院中等科・高等科では研修の一環として理科の教員を派遣し、
現地での観測を実施しました。

10月、中等科では地学(担当教員:田中舘宏橘教諭)の授業でこの皆既日食を取り上げ、
現地での観測の様子を紹介するとともに、日食についての学習を行いました。

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(写真)地学実験室での授業の様子
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(写真)日食が起こる仕組みについて解説する田中舘先生

日食は、地球の周りをまわっている月が太陽の手前を横切るときに、
月によって太陽が隠される現象です。

このとき月が太陽の一部を隠す現象を「部分日食」、すべてを隠す現象を「皆既日食」、
月が太陽を隠しきれず輪のように見える現象を「金環日食」といいます。
仕組みは簡単なのですが、実はさまざまな偶然が重なったことによって起こります。

まず、月が地球をまわるときの円軌道(公転軌道面)が、
地球が太陽の周りをまわる公転軌道面に対して少し斜めになっているため、
月と太陽が重なることは、なかなかありません。

また、重なったとしても、地球は陸地よりも海の面積の方がずっと広いので、
月の影が地球の陸上を通ることもまれです。

さらに皆既日食となると月と太陽の大きさがピッタリ同じでないと起こりません。
もともと月の大きさは太陽の400分の1という大変小さい天体です。
皆既日食は、その小さな月が偶然にも地球と太陽の距離の400分の1の場所に
浮かんでいることによりみられる現象なのです。

さらにさらに、月の公転軌道が楕円形であるため、
地球から見たときの月の大きさが変化します。
このため月が遠い位置だと、
太陽・月・地球が一直線に並んでも月の周りから太陽がはみ出してしまい、
「金環日食」となってしまいます(2012年5月に東京を中心に見られた現象です)。

授業ではまず、この日食が起こる仕組みについて、
デスクライトを太陽に見立て、地球儀と月の模型をその一直線に並べて、
詳しい解説が行われました。

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その後、田中舘先生がアメリカ・ワイオミング州で動画撮影した、
皆既日食発生前後のレポートを観賞しました。

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(写真)皆既日食の瞬間を観賞する生徒たち
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(写真)太陽が月の影に隠れた瞬間に現れる「ダイヤモンドリング」
    皆既状態の始まりと終わりにも見られる。
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(写真)月が太陽を完全に隠した皆既状態の様子。
    普段は見ることができないコロナ(太陽を取り巻く希薄ガス)やプロミネンス(紅炎)を
    肉眼で見ることができる。


ダイヤモンドリングが現れた瞬間、生徒たちからは大きな歓声が上がりました。


田中舘先生が今回観測したのは、ワイオミング州のキャスパーという町です。
今回の日食では、皆既日食(月の影)の通り道「日食帯」の中心線近くに位置するため、
比較的長い時間観測することができたとのこと。

現地での様子について、午前11時台という普段は最も太陽光が明るく輝く時間帯、
日食がはじまると少しずつ辺りが薄暗くなり、皆既日食の直前には月の影が地上を覆って、
まるで夜のようになり、昼間なのに金星が見えたと話されていました。

日食は年に一度ほど地球上のどこかで見られますが、日本からは部分日食が数年に一度、
皆既日食と金環日食は数十年に一度しか観測できません。

日本で次に皆既日食が見られるのは17年後、2035年9月2日の日曜日で、
石川・富山・長野・新潟・群馬・栃木・埼玉・茨城・千葉などの一部で観測できます。
関東地方での皆既日食は148年ぶり、2035年の次はなんと727年後です・・・

さらに現在、月は1年間に約3㎝のスピードで地球から離れているため、
長い年月を経ると、地球から見た月の大きさがだんだんと小さくなり、
遠い将来は皆既日食自体が起こらなくなるとのこと。

田中舘先生のレポートで、生徒の皆さんは、
いま生きているこの時代でしか見ることのできない皆既日食という奇跡を実感し、
「次回は絶対見よう!」と口々に話していました。


学習院中等科のホームページはこちらから

学習院が保有する校外施設のひとつ、
栃木県にある日光光徳小屋管理人の三樹さんから
12月のお便りが届きましたのでご紹介します。

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奥日光では中旬の寒波で降った雪が根雪になりそうで、
気温も最高がマイナス2.2℃、最低がマイナス13.5℃までになりました。

雪が降りだすとワクワクする気持ちとこれから大変な生活が始まるのと悩ましいところですが、
そんな中で清々しい気持ちになる朝の一コマです。

光徳小屋の郵便受けがある市道の小屋入り口まで、
雪で白く埋まった林道730メートルを歩いて新聞を取りに行きます。

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ミズナラやカエデ、ウラジロモミの樹々や下草のミヤコザサも白く覆われて、
道はくるぶし程度まで雪が積もりました。
動物たちのフィールドサイン(足跡、フン)を見ながら行くのも楽しいものです。
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小屋入り口にある郵便受けです。新聞は日光市街にある新聞店の人が毎朝5時半には持ってきてくれますが、
毎日いろは坂を上り下りして運んでくださりありがたい事です。
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そして、新聞を取って戻る頃には男体山の左側・志津峠から太陽が顔を出します。
シーンと静まった山の中、太陽が出てくると鳥たちも動き出してアカゲラのドラミングが聞こえる事もあります。

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今月は凍りついた刈込湖・切込湖のハイキングコースをご案内します。
湯元温泉からスタートして刈込湖・切込湖まで往復で3時間程で行かれ、
これからの雪シーズンにはスノーシューで訪れる人も多いスノーハイクのお勧めコースです。

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出発地点は湯元温泉の源泉地です。温泉の湧いている場所なので一面に蒸気が上がり暖かく感じます。
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ひと登りすると国道120号線を横切って山の中に入って行きます。
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登山道は靴が隠れる程度の積雪です。
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左手に蓼ノ湖が見え隠れする冬枯れた登山道を40分程進むと小峠に着きます。
ここは太陽があたりベンチもあって休憩にお勧め。
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小峠を過ぎると山腹を巻いて進むようになり、木道の階段がいくつも出てきます。
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登山道からの刈込湖。小峠からは30分程で着きますが、そのまま切込湖に向かって進みます。
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切込湖を登山道から眺めて刈込湖に戻ります。
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刈込湖畔では青い空と全面氷結した湖が何ともキレイ!
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凍った湖面に石投げならぬ氷投げ。
大きな氷を投げると細かく割れた破片がカラカラと放射線状に滑っていくのが面白くて、
つい楽しくなってしばらく遊んでいました。
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帰り際、小峠から先の方に湯ノ湖が光って見えました。
ここを下って湯元に着いたらフィナーレは温泉に入って体を暖めていきましょう。楽しい1日でした。

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これからの冬の奥日光で予定されているイベントをお知らせします。

《中禅寺温泉》
 ・2/17(土)・18(日) 中禅寺温泉カマクラまつり
《日光自然博物館》
 ・1~2月の各週末 スノーシューハイクの各種イベント、時には雪上ナイトハイキングもあります。
《湯元温泉》
 ・1/28(日) 温泉寺節分豆まき、縁起ガラまき
 ・1/30(火)~31(水) 全日本氷彫刻奥日光大会
 ・2/9(金)~15(木) 約500個の雪灯里が灯されます
 ・2/10(土)湯ノ湖湖畔花火大会
 ・2/25(日)雪上探検ツアー
 ・随時、日光湯元ビジターセンターにて湯元温泉周辺のスノーシューツアー
《光徳、戦場ヶ原周辺》
 ・3/11(日) 第3回全日本山岳スノーシューイング・レースin日光
 ・随時、三本松茶屋にて戦場ヶ原や湯ノ湖のスノーシューツアー

その他にも、湯元温泉の各旅館・ホテルや日光アストリアホテルでは、
クロスカントリスキーやスノーシューのレンタルをセットした宿泊プランもあり、
気軽に雪遊びが出来るように準備されています。是非、奥日光にいらして下さい。

そして、一年間日光光徳小屋のブログを見ていただきありがとうございました。
来年もいろいろな情報提供をしていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
皆さま、よいお年をお迎えください。

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日光光徳小屋は、春夏秋の登山やハイキング、奥日光の自然探究など、
多くの学生が訪れています。
※現在は冬季休業期間中です。
詳しいご案内はこちらから。

学習院剣道部は12月18日(月)~23日(土・祝)まで、学習院大学体育館にて寒稽古を実施しました。
学習院の初等科生から大学学生までが一同に会する剣道部恒例の稽古で、2017年で61回目となります。

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<会場の体育館に集まった学生とOB・OG>

寒稽古の目的は、真冬の早朝に実施することによる精神鍛錬と、
一年間の練習で気付かずについてしまった悪癖を正すことにあります。

寒稽古は準備運動・素振りから始まります。
その後、礼式を経てから防具を着用し、打ち込みへと続いていきます。
稽古の各パートの前には師範より注意・指導が行われ、
学生は竹刀の打突の角度などに注意しながら打ち込みを行いました。

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<素振り>
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<礼式>
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<熱のこもった指導をする高寺師範>

練習の後半は実戦形式の地稽古です。
気合の入った打ち合いが行われ、真冬の体育館が熱気に包まれました。

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<実戦形式の地稽古>


寒稽古は初等科生からOB・OGまでが参加する学習院の伝統的な行事です。
12月の凛とした空気のなか、参加者にとって得るものが大きい1週間の稽古となりました。


学習院剣道部のホームページはこちらから

高等科3年・選択生物の授業(担当:鍋山 航 教諭)を取材しました。
この授業では、1年間を通して大学の生命科学の分野に直結するような実験を行っています。

9月10月は「マウスの組織標本作製」に取り組みました。
凍結ミクロトームで組織の超薄切片を作製し、
HE(ヘマトキシリン・エオジン)染色と蛍光色素を用いた蛍光染色を行います。

鍋山先生からのレポートが届きましたのでご紹介します。

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(写真)HE染色したサンプルを、脱水していく様子

今回、蛍光色素は、チューブリンというタンパク質を緑色で、
アクチンというタンパク質を赤色で、細胞の核を青色で示しています。
今回初めて蛍光色素を3チャンネル用いて観察・撮影することが可能となりました。

◆その1 胃の腺細胞
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胃の腺細胞をはっきり観察することができました。

◆その2 肝臓の肝小葉
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核染色による写真です。肝細胞の核が見えます。
細胞内に2つの核が確認できるものもあります。
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こちらは同じく肝小葉ですが、HE染色によるものです。
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(写真)光学顕微鏡でのHE染色サンプル観察の様子

◆その3 骨格筋
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骨格の横紋筋です。左がアクチン染色+核染色、右がチューブリン染色+核染色です。
細長い核は神経に付随した細胞の核で、大きな楕円型の核は骨格筋の核です。

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この写真では、骨格筋とつながっている神経線維(ひも状のもの)がはっきり見えました。
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こちらは同じ骨格筋をHE染色したものです。よく見ると、紫色の核が見えます。
また、横紋(横のしま模様)がはっきり見えます。

◆その4 腎臓の糸球体とボーマン嚢
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真ん中の丸い物体が糸球体で、その周りを覆っている部分がボーマン嚢です。
核もたくさんあることが分かります。教科書にもよく載っている定番です。

◆その5 精巣の精細管の内部
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中央の写真中央を見ると分かるのですが、
精子の鞭毛が中央の空洞に向かってなびいている様子(うぶ毛のように見えます)が観察出来ます。

◆その6 小脳
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小脳の分子層・顆粒層・白質がきれいに見えました。
染色像を合成すると、核の多い領域(青色)と神経線維の多い領域(緑色)がはっきり分かります。

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この写真はHE染色によるものです。小脳のしわがよく見えました。
蛍光染色と比較すると興味深いです。

◆その7 海馬
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記憶の中枢である海馬です。画像合成するとさらにきれいに見えました。
細かな神経線維(ひも状のもの)が無数に走っている様子が良く観察できました。
倍率は違いますがHE染色の海馬(右下)も一緒に比較すると、全体の様子が良く分かります。

このように、今年から新たに3チャンネルの蛍光染色を撮影することが可能となり、
実験の授業でのバリエーションが増えました。
蛍光顕微鏡による観察も今後さらに増やしていきたいですね。

学習院高等科のホームページはこちらから

11月8日(水)・10日(金)・17(金)の3日間、
学習院高等科の姉妹校であるセントポール校の教員による
心理学ワークショップが行われました。

セントポール校はアメリカ東部メリーランド州にある私立の伝統校です。
両校は2000年より交換留学協定を結び、
2014年度からは両校の教員を互いに派遣する「教員交換プログラム」を実施しています。

その一環で今回はセントポール校からキャロライン・デングラー先生が来日、
「心理学と広告」というテーマで2時間のワークショップを計3回開催し、
中等科・高等科の生徒15名が参加しました。

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(写真)キャロライン・デングラー先生

1回目のワークショップでは、
テレビや雑誌における企業広告には、
人間の購買意欲を心理学的に刺激する3つの要素

・"Ethos": 信頼性の要素
・"Pathos": 感情・共感の要素
・"Logos": 論理性・統計的な要素

が含まれているという広告のからくりついてのお話しがあり、
実際に身の回りにある身近な企業広告を教材に、
どのような要素が使われているか見つけ出して発表するグループワークを行いました。

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2回目は、今年1月のアメリカ大統領選挙で放映された
両陣営のコマーシャルを教材にして、広告の三要素のからくりと、
広告のターゲット設定について学びました。

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そして3回目のワークショップでは、さまざま映画のtrailer(予告編)を見て、
三要素がどのように含まれているかを考え意見交換をしたほか、
実際に自分で三要素を盛り込んだ広告を作るワークにグループで取り組みました。

埼玉県在住の高等科1年の生徒が埼玉県の広告を紙芝居形式で、
高等科2年の生徒が研修旅行で訪れた沖縄の広告を、
中等科3年の生徒が原宿の街の広告をパワーポイントで制作し、
それぞれの魅力をPRしました。

ワークショップはすべて英語で行われましたが、
生徒たちはもの怖じせず、積極的に先生に質問し、堂々と自分の意見を主張していました。

また、広告の心理学という専門分野の英語に触れ、
ただ語学力をアップするだけではなく、
実践的で実用的な学びを深めることができました。


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